○壱岐市債権管理条例

平成31年3月20日

条例第4号

(目的)

第1条 この条例は、市の債権の管理に関する事務の処理について必要な事項を定めることにより、市の債権の管理の適正を期することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 市の債権 金銭の給付を目的とする市の権利をいう。

(2) 強制徴収債権 市の債権のうち、地方税法(昭和25年法律第226号)の規定に基づく徴収金に係るもの及び法令の規定に基づき国税又は地方税の滞納処分の例により処分することができるものをいう。

(3) 非強制徴収債権 市の債権のうち、強制徴収債権以外のものをいう。

(他の法令等との関係)

第3条 市の債権の管理については、法令又は他の条例若しくはこれらに基づく規則等(地方公営企業法(昭和27年法律第292号)第10条に規定する企業管理規程を含む。)に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。

(市長の責務)

第4条 市長は、法令又は条例若しくは規則の定めるところにより、市の債権の適正な管理及び事務の処理を行わなければならない。

(台帳の整備)

第5条 市長は、市の債権を適正に管理するため、規則で定めるところにより台帳を整備するものとする。ただし、証明書発行手数料その他債権の性質上、市長が特に必要がないと認める債権については、この限りでない。

(債務者に関する情報)

第6条 市長は、市の債権について、履行期限までに履行されない場合において、第8条から第14条までの規定又はこれらの規定に相当する法令若しくは他の条例若しくはこれらに基づく規則の規定に基づく措置又は処分(以下この項において「措置等」という。)の判断に資する事項として必要と認めるときは、当該債務者の当該市の債権以外の市の債権に係る滞納の有無(滞納がある場合は、その滞納している額を含む。)及び市長が行った措置等の情報を実施機関(壱岐市個人情報の保護に関する法律施行条例(令和5年壱岐市条例第2号)第2条第1項に規定する実施機関をいう。以下この条において同じ。)の内部において利用し、又は他の実施機関から収集することができる。

2 前項の規定により情報を利用し、又は情報の提供を受ける場合において、当該債務者の所在が明らかでないときは、市長は、当該市の債権以外の市の債権に関して保有する当該債務者の氏名、生年月日、住所、電話番号その他当該債務者との連絡に必要な情報を実施機関の内部において利用し、又は他の実施機関から提供を受けるものとする。

3 市長は、前2項の規定により利用し、又は提供を受けた情報を当該市の債権の管理に関する事務以外の事務に利用してはならない。

4 市長は、第1項及び第2項の規定により利用し、又は提供を受けた情報を当該市の債権の管理に関する事務に利用する場合は、当該債務者及び第三者の権利利益を不当に侵害することのないようにしなければならない。

(督促)

第7条 市長は、市の債権について、履行期限までに履行しない者があるときは、法令又は他の条例の定めるところにより、期限を指定してこれを督促しなければならない。

(滞納処分等)

第8条 市長は、強制徴収債権について、前条の規定による督促を受けた者が指定した期限までに履行しないときは、滞納処分を行わなければならない。

2 市長は、前項の規定にかかわらず、法令に定める事由に該当するときは、徴収猶予、換価の猶予又は滞納処分の停止をすることができる。

(強制執行等)

第9条 市長は、非強制徴収債権について、第7条の規定による督促をした後相当の期間を経過してもなお履行されないときは、次に掲げる措置をとらなければならない。ただし、第12条に規定する徴収停止の措置をとる場合又は第13条の規定により履行期限を延長する場合その他特別の事情があると認める場合は、この限りでない。

(1) 担保の付されている非強制徴収債権(保証人の保証があるものを含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。

(2) 債務名義のある非強制徴収債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行の手続をとること。

(3) 前2号に該当しない非強制徴収債権(第1号に該当する非強制徴収債権で同号の措置をとってもなお履行されないものを含む。)については、訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求すること。

(履行期限の繰上げ)

第10条 市長は、市の債権について、履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第13条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。

(債権の申出等)

第11条 市長は、市の債権について、債務者が強制執行又は破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、市が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。

2 前項に規定するもののほか、市長は、市の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。

(徴収停止)

第12条 市長は、非強制徴収債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。

(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。

(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき、その他これに類するとき。

(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。

(履行延期の特約等)

第13条 市長は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。

(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。

(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、その現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。

(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。

(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。

(5) 貸付金に係る債権について、債務者が当該貸付金の使途に従って第三者に貸付けを行った場合において、当該第三者に対する貸付金に関し、第1号から第3号までのいずれかに該当する理由があることその他特別の事情により、当該第三者に対する貸付金の回収が著しく困難であるため、当該債務者がその債務の全部を一時に履行することが困難であるとき。

2 市長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(次条において「損害賠償金等」という。)に係る市の債権は、徴収すべきものとする。

(債権の放棄)

第14条 市長は、市の非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該債権及び損害賠償金等の全部又は一部を放棄することができる。

(1) 債務者が生活困窮状態(生活保護法(昭和25年法律第144号)の規定による保護を受け、又はこれに準ずる状態をいう。)にあり、資力の回復が困難で、相当の期間を経ても履行の見込みがないと認められるとき。

(2) 破産法(平成16年法律第75号)第253条第1項、会社更生法(平成14年法律第154号)第204条第1項その他の法令の規定により、その責任を免れたとき。

(3) 第9条の規定による強制執行等又は第11条の規定により債権の申出等の措置をとったにもかかわらず、なお完全に履行されなかった場合において、債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、履行の見込みがないと認められるとき。

(4) 第12条の規定により徴収停止を行った場合において、相当の期間を経過した後においても、なお同条各号に該当し、これを履行させることが困難又は不適当と認められるとき。

(5) 債務者が死亡し、その債務について限定承認があった場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに他の優先して弁済を受ける市の債権及び市以外の者の権利の金額の合計額を超えないと見込まれるとき。

(6) 当該債権について、消滅時効に係る時効期間が満了したとき(当該時効期間満了後に、債務者が当該債権について支払の意思を示し、若しくは一部を履行したとき、又は債務者が時効を援用しない特別な理由があるときを除く。)

(7) 当該債権の存在につき法律上の争いがある場合において、市長が勝訴の見込みがないものと決定したとき。

(8) 債務者等が死亡、失踪、行方不明その他これに準ずる事情があり、かつ、徴収の見込みがないと認められるとき。

(9) 債務者である法人の清算が結了したとき(当該法人の債務につき弁済の責に任ずべき他の者があり、その者について前各号に掲げる事由がない場合を除く。)

2 市長は、前項の規定により放棄した非強制徴収債権について、規則で定めるところにより議会に報告しなければならない。

(委任)

第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

 抄

(施行期日)

1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。

(壱岐市税外収入金に係る督促等に関する条例の一部改正)

2 壱岐市税外収入金に係る督促等に関する条例(平成16年壱岐市条例第54号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(令和5年3月22日条例第2号)

(施行期日)

第1条 この条例は、令和5年4月1日から施行する。

壱岐市債権管理条例

平成31年3月20日 条例第4号

(令和5年4月1日施行)