○壱岐市子どものいじめ防止に関する条例
平成29年3月22日
条例第10号
(目的)
第1条 この条例は、子どもに対するいじめの防止に係る基本理念及び責務を明らかにするとともに、いじめの防止及び解決を図るための基本となる事項を定めることにより、子どもたちが安心して生活し、学ぶことができる環境をつくることを目的とする。
(1) いじめ 子どもが一定の人間関係のある者から、心理的又は物理的な攻撃(インターネットを通じて行われるものを含む。)を受けたことにより、心身の苦痛を感じているものをいう。
(2) 子ども 小学生及び中学生をいう。
(3) 学校 市内の小学校、中学校及び特別支援学校をいう。
(4) 保護者 親権を有する者、未成年後見人その他の子どもを現に監護する者をいう。
(5) 市民 市内に居住する者又は市内に通勤し、若しくは通学する者をいう。
(6) 関係機関等 子どものいじめの問題の対応に関係する機関及び団体をいう。
(基本理念)
第3条 市、学校、保護者、市民及び関係機関等は、子どもが1人の人間として尊重され、安心して生活し、学ぶことができる環境を実現するため、それぞれの責務を自覚し、主体的、かつ、相互に連携して、いじめの防止に取り組まなければならない。
2 子どもは、いじめが人間の尊厳を踏みにじり、基本的人権を侵害する行為であることを理解するとともに、人間として絶対に許されない行為であるとの強い認識を持たなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条に規定する基本理念に基づき、関係機関等と連携し、子どものいじめの防止及び解決を図るために必要な施策を講じなければならない。
(学校の責務)
第5条 学校は、子どものいじめの防止に向け、日常の取組、個別の対応等により、自他の人権を守ろうとする心や道徳的実践力を育成する等の教育活動を行わなければならない。
2 学校は、いじめの情報を把握することに努めるとともに、いじめを把握した場合は、その解決に向け速やかに対策を講じなければならない。
(保護者の責務)
第6条 保護者は、いじめを正しく認識するとともに、その防止のために、子どもの豊かな人間性を育み、基本的な生活習慣や社会のきまり等を身に付けさせるとともに、子どもに対し、いじめは許されない行為であることを充分に理解させるように努めなければならない。
(市民の責務)
第7条 すべての市民は、基本理念に基づき、市が実施する子どものいじめの防止に向けた施策、活動等に協力するよう努めなければならない。
(子どもの努め)
第8条 子どもは、自らを大切にするとともに他の人を思いやり、いじめを許さないという勇気を持ち、互いに仲良く生活できるように努めなければならない。
(いじめ問題対策連絡協議会の設置)
第9条 市は、子どもをいじめから守る総合的な対策を立案するために、壱岐市いじめ問題対策連絡協議会(以下「連絡協議会」という。)を置く。
2 連絡協議会は、次に掲げる事項を行う。
(1) いじめの防止等に関する施策及び対応等の検証
(2) いじめの防止等に関係する機関及び団体の連携の推進
(3) 学校で重大事態が発生した場合における事実の確認及び審査
3 前項に定めるもののほか、連絡協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で別に定める。
(専門委員会の設置)
第10条 市は、専門家による客観的な立場からのいじめ調査を行うために、市長の諮問機関として、子どもをいじめから守る専門委員会を置く。
2 専門委員会の委員は、子どもの権利、発達状況及び心理についての理解があり、豊かな経験を有する者から、市長が選任する。
3 専門委員会は、市長の諮問に応じ、起こった事案についての事実確認並びに解決を図るために必要な調査及び審査を行うものとする。
4 専門委員会は、特に必要があると認めるときは、関係者に対して資料の提出、説明及びその他必要な協力を求めることができる。
5 専門委員会は、市長に対し、子どものいじめの再発防止及び問題の解決を図るための方策の提言等を行うことができる。
6 専門委員会は、市長の諮問に加え、市教育委員会からの協議に応じるものとする。
7 前各項に定めるもののほか、専門委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。
(個人情報に対する取扱い)
第12条 市は、この条例の施行に当たって知り得た個人情報の保護及び取扱いに万全を期するものとし、当該個人情報をいじめの防止に関する業務の遂行以外に用いてはならない。
2 いじめに関する通報、相談等に関係した者は、正当な理由なく、その際に知り得た個人情報を他人に漏らしてはならない。
附則
この条例は、平成29年4月1日から施行する。