○壱岐市成年後見制度利用支援事業実施要綱
平成19年3月1日
告示第22号
(目的)
第1条 この告示は、判断能力が不十分な認知症高齢者、知的障害者及び精神障害者(以下「要支援者」という。)が、民法(明治29年法律第89号)第7条から第18条までに規定する後見制度、保佐制度及び補助制度(以下「成年後見制度」という。)を利用するに当たり、その支援を行うことにより、要支援者がその有する能力を活用し、自らが希望する自立した日常生活を営むことができる環境の整備に資することを目的とする。
(支援の種類)
第2条 市長は、成年後見制度を利用する要支援者に対して、次に掲げる支援を行うものとする。
(1) 後見開始、保佐開始及び補助開始(以下「後見開始等」という。)の審判の請求(以下「審判の請求」という。)に関する支援
(2) 審判の請求に係る収入印紙代、登記印紙代、郵便切手代、診断書料、鑑定料等(以下「審判の請求に係る費用」という。)に関する支援
(3) 成年後見人、保佐人及び補助人(以下「成年後見人等」という。)に対する報酬等に関する支援
(審判の請求に関する支援)
第3条 市長は、次に掲げる規定に基づき審判の請求に関する支援を行うものとする。
(1) 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条
(2) 知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条
(3) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2
2 審判の請求に関する支援を受けることができる者は、次の各号のいずれかに該当する要支援者とする。
(1) 認知症、知的障害又は精神障害の状態にあるために意思能力に乏しく、日常生活を営むのに支障がある者
(2) 認知症、知的障害又は精神障害の状態にあるために意思能力に乏しく、親族等の虐待又は無視を受けている者
(3) その他市長が必要と認める者
(審判の請求の要請)
第4条 次に掲げる者は、市内に住所又は居所のある者で、前条第2項各号に掲げる状態にあるもの(以下「該当者」という。)がいると判断したときは、審判の請求を市長に要請することができる。
(1) 民生委員
(2) 該当者の日常生活の援助者(親族を除く。)
(3) 老人福祉法第5条の3に規定する老人福祉施設の職員
(4) 介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第25項に規定する介護保険施設の職員
(5) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第5条第11項に規定する障害者支援施設の職員
(6) 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院又は診療所の職員
(7) 地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項に規定する保健所の職員
(該当者及び親族の調査の実施)
第5条 市長は、前条第1項各号に掲げる者から審判の請求の要請があったとき、その他必要があると認めるときは、該当者に面談し、該当者の健康状態、精神状態等について調査するものとする。
2 前項に規定する調査の内容は、次に掲げるとおりとする。
(1) 該当者の健康状態、精神状態及び日常生活状況
(2) 該当者の配偶者及び2親等以内の親族の有無
(3) 該当者と親族の関係
(4) 親族から該当者への虐待、無視等の事実の有無
(5) 該当者と親族との財産争議の事実の有無
(6) 市長が親族に代わって審判の請求を行うべき事由の有無
3 市長は上記調査を、次に掲げる各専門機関に調査依頼することができる。
(1) 地域包括支援センター
(2) 精神障害者地域生活支援センター
(3) 壱岐市社会福祉協議会
(親族への説明)
第6条 市長は、前条に規定する調査の結果、審判の請求を行う必要があると判断した場合において、該当者に2親等以内の親族がいるとき、若しくは3親等又は4親等の親族であって審判請求をする意思のある者の存在が明らかであるときは、当該親族に審判の請求の必要性を説明し、親族による請求を促すものとする。
(1) 該当者に配偶者及び2親等以内の親族がいないとき。
(2) 該当者の2親等以内の親族の代表者又はそのいずれかの者が、文書により自ら審判の請求を行わない旨を市長に対して申し入れた場合で、該当者の状況を考慮し、市長が審判の請求を行う必要があると判断したとき。ただし、明らかに文書による申入れが困難な事由があると認める場合は、この限りでない。
(3) 該当者に2親等以内の親族がいる場合で、当該親族から該当者への虐待の事実が確認され、市長が請求を行う必要があると判断したとき。
2 市長は、該当者において緊急かつやむを得ない事情が生じ、審判の請求を行う必要があると判断したときは、第5条の規定にかかわらず、調査を省略し、審判の請求を行うことができる。
(請求の種類)
第8条 市長が行う審判の請求の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 民法第7条に規定する後見開始の審判
(2) 民法第11条に規定する保佐開始の審判
(3) 民法第13条第2項に規定する保佐人の同意権の範囲を拡張する審判
(4) 民法第876条の4第1項に規定する保佐人に代理権を付与する審判
(5) 民法第15条第1項に規定する補助開始の審判
(6) 民法第17条第1項に規定する補助人に同意権を付与する審判
(7) 民法第876条の9第1項に規定する補助人に代理権を付与する審判
(1) 請求に要する費用の助成を受けなければ、成年後見人等の制度の利用が困難な状況にある者
(2) 現に生活保護法(昭和25年法律第144号)による被保護者である者
(3) 請求に要する費用を負担することで、生活保護法に定める要保護者となる者
2 前項各号に該当しない場合であって、市長が特に必要と認めるときは、市があらかじめ請求に要する費用を支出し、審判により選任された成年後見人等に当該費用を請求するものとする。
(成年後見人等に対する報酬等の助成)
第10条 市長は、家庭裁判所により成年後見人等が選任された要支援者で、次の各号のいずれかに該当する者(以下「対象者」という。)に対し、後見開始等の後に必要となる成年後見人等に対する報酬等について助成するものとする。
(1) 生活保護受給者
(2) 活用できる資産、貯蓄等がなく、成年後見人等に対する報酬等の助成を受けなければ成年後見制度の利用が困難な者
(3) その他市長が認める者
2 前項の規定により市長が助成する額は、後見開始等の後に必要となる成年後見人等に対する報酬等の実費の範囲内とし、予算に定める額を上限とする。
3 助成の上限額は、家事事件手続法(平成23年法律第52号)別表第1の13の項、31の項、50の項及び80の項の事項についての審判(以下「報酬付与の審判」という。)により家庭裁判所が決定した報酬額とし、当該報酬額の範囲内で、対象者の生活の場が在宅にあっては月額28,000円、施設入所中にあっては月額18,000円を助成の上限とする。
(助成申請等)
第11条 成年後見人等に対する報酬等の助成を申請できる者は、対象者又は当該対象者の代理人としての成年後見人等(以下「申請者」という。)とする。
2 申請者は、助成金の交付を受けようとするときは、成年後見人等の報酬助成申請書(様式第3号)により、市長に申請しなければならない。
3 前項の申請書の提出期限は、家庭裁判所による報酬付与の審判の決定があった日の翌日から起算して2月以内とする。
4 第2項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
(1) 公的年金等の源泉徴収票、申告書の写しその他収入の分かる書類
(2) 金銭出納簿、領収書の写しその他経費の分かる書類
(3) 財産目録の写しその他財産状況の分かる書類
(4) 報酬付与の審判決定書の写し
(5) 登記事項証明書(対象者の代理人として成年後見人等が申請する場合に限る。)
2 助成額の支払いは、前項に規定する請求に基づき、対象者名義の金融機関への口座振込にて行う。
(助成金の返還)
第13条 市長は、申請者が虚偽の申請その他不正な手段により助成金の交付を受けたときは、既に交付した助成金の全部又は一部を返還させることができる。
(利用終了の届出)
第14条 要支援者の成年後見制度の利用が終了したときは、当該要支援者又はその成年後見人等であった者は、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(委任)
第15条 この告示に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この告示は、平成19年3月1日から施行する。
附則(令和2年1月1日告示第71号)
この告示は、令和2年1月1日から施行する。
附則(令和4年4月1日告示第106号)
この告示は、令和4年4月1日から施行する。