○壱岐市行造林条例

平成16年3月1日

条例第174号

(趣旨)

第1条 本市は、造林資源の造成に資するため、山林又は原野(以下「土地」という。)の所有者(以下「土地所有者」という。)と収益を分収する条件をもって、市行造林契約(以下「契約」という。)を締結し、その土地に地上権を設定して、造林を行うものとする。

(協議)

第2条 市長は、契約を締結しようとするときは、造林箇所、面積、植栽すべき樹種、契約の存続期間、収益分収の歩合等について土地所有者と協議するものとする。

(契約)

第3条 前条の協議が整ったときは、市長は、土地所有者とともに契約書を作成し、契約を締結するものとする。

(契約の存続期間)

第4条 契約の存続期間は、50年以内とする。ただし、契約の目的を達成するため特に必要がある場合は、市長は、土地所有者と協議し、契約の全部又は一部について、その存続期間を変更することができる。

(造林の持分)

第5条 契約に基づき植栽した樹木(以下「造林木」という。)は、市と土地所有者の共有とし、その持分は、第14条に定める収益分収の比率によるものとする。

(業務)

第6条 市長は、造林地に対し、植林、保有管理、保護及び造林木の処分その他契約の目的を達成するため必要な業務を行う。

2 造林の処分の時期、方法及び売払予定価格は、市長が決定する。

(看守人)

第7条 市長は、造林地の保護管理のため、看守人を置くものとする。

(費用の負担)

第8条 市は、第6条第1項に規定する業務に必要な費用を負担する。

2 土地所有者は、土地に対する公租公課を負担する。

(経営計画)

第9条 市長は、造林地の経営計画を定めたときは、土地所有者に通知するものとする。

2 前項の規定による通知を受けた土地所有者は、当該経営計画について市長に意見を述べることができる。

(土地所有者の協力)

第10条 土地所有者は、次に掲げる造林地の管理業務については、市長に協力しなければならない。

(1) 火災の予防及び消火

(2) 盗伐、誤伐、侵墾その他加害行為の防止

(3) 病虫、獣害の予防及び駆除

(4) 境界標その他標識の保全

(5) 労務の調達

(受益負担)

第11条 造林地に対し林道その他の公共施設設定に伴う受益者負担が課せられる場合においては、市長は、土地所有者と協議し、第5条の規定による共有持分の比率の範囲内において負担するものとする。

(造林木以外の樹木)

第12条 造林に着手した後天然に生じた樹木及び造林に着手する前から存立する樹木で、造林木とともに生育させる樹木は、造林木とみなす。

(副産物の処分)

第13条 市長は、造林木の保育のため除去した樹木及び落葉、落枝、下草、萱類等の副産物は、造林木の育成上支障のない限り、これを土地所有者その他の者に、無償で譲渡することができる。

(収益の分収)

第14条 収益分収の比率は、市が6、土地所有者が4の割合とする。ただし、特別の場合にあっては、地位及び地利の状況を勘案し、双方の協議により決定することができるものとする。

2 収益の分収は、造林木の売却処分の都度その代金から処分に要した直接の費用(伐木、造林、運搬等を行った場合は、これに要した費用を含む。)を差し引いたものについて行う。ただし、特別の事由がある場合は、材積をもって分収することができる。

3 第三者から受けた賠償金等の取得金についても、前項と同様とする。

(森林火災保険)

第15条 森林火災保険については、市長が加入契約を行うものとし、火災保険料の受取については、保険料納付の比率により分収する。

2 前項の保険料の納付の比率は、市長が土地所有者と協議して定める。

(造林地及び共有持分の処分制限)

第16条 土地所有者は、市長の承諾を得なければ造林地又は造林木の共有持分を譲渡し、又は担保に供してはならない。

(土石の処分)

第17条 土地所有者において造林地の土石を使用し、又は処分しようとするときは、市長の承諾を得なければならない。

(造林地の貸付)

第18条 公用若しくは公益事業のため必要があるとき、又は造林事業経営に支障がないときは、市長は、土地所有者の同意を得て第三者に造林地を貸し付け、又は使用させることができる。

2 前項の規定により貸付け又は使用させた場合の貸付料金又は使用料金は、第14条に規定する収益分収の比率をもって分収するものとする。

(再造林)

第19条 火災、天災その他当事者の責めに帰し得ない事由により、再造林を必要とするに至った場合においては、再造林について当事者で協議を行うものとする。

(契約の解除)

第20条 次の各号のいずれかに該当する場合には、市長は、契約期間内であっても、造林契約の全部又は一部を解除することができる。

(1) 公用又は公益事業のため必要があるとき。

(2) 土地所有者が、自ら造林地の経営をしようとする場合において、その経営の能力が確実であると認めたとき。

(3) 天災その他の事由により、契約の目的を達することができないと認めたとき。

(4) 造林地を造林以外の用途に供すべき特別の必要があるとき。

(契約解除の場合の収益分収)

第21条 前条の規定により契約を解除したときは、直ちに第14条第2項の規定による収益の分収を行う。ただし、造林木を存置したまま地上権を解除する場合は、土地所有者は、市長の指示に従い、造林木の価格に相当する金額の10分の6以上を市長に納付しなければならない。

2 土地所有者は、前項に規定する金額を納付したときに、造林について市の有する権利を取得する。

(委任)

第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成16年3月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の芦辺町行造林条例(昭和44年芦辺町条例第7号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされた処分、手続その他の行為とみなす。

壱岐市行造林条例

平成16年3月1日 条例第174号

(平成16年3月1日施行)