中心域

復元イメージ

復元コンセプト

原の辻一支国王都復元公園の整備は、3世紀末に記された中国の歴史書『三国志』に登場する「魏志」倭人伝に書かれた一支国(いきこく)の王都の姿を再現することを目指しました。復元整備を行うにあたり、実際に発掘調査を実施し、丘陵上にはどんな遺構があったのか、どんな遺物が発見されるのかなどの情報を収集し、発掘調査の成果を基に復元する建物や遺構を選定しました。今回は一支国の王都として栄えた弥生時代後期にスポットをあて、王都の拠点だった中心域と集落を取囲む環濠の一部〔環濠域〕を復元しました。

中心域原の辻一支国王都復元公園
復元イメージ

復元建物コンセプト

復元した17棟の建物の真下の地中には、実際に発掘調査で検出された遺構が残っています。柱の位置や数、住居の規模などは忠実に再現しています。
また、遺構が発見された場所や出土した遺物から、当時の一支国における建物の役割を想定し、ストーリー化した内容です。実際の役割とは異なる場合もあります。

1 主祭殿(しゅさいでん)

想定役割 : 祭祀や儀式を執り行った建物

「嘗(な)めのまつり〔一年の五穀豊穣に感謝するまつり〕」で、身を清めた王が主祭殿の中でその年に獲れたものを神に捧げ、共食し、感謝する儀式が執り行わたものと思われます。

主祭殿の外観
主祭殿

2 平屋脇殿(ひらやわきでん)

想定役割 : 儀式に向かう準備をする建物

主祭殿での儀式にのぞむ王が身を清める場として使われたものと思われます。

平屋脇殿
平屋脇殿の内部イメージ

3 食材の倉〔板壁式高床倉庫〕

想定役割 : 儀式やまつりに使用する食材を保管しておく倉庫

嘗めのまつりや祭儀場で執り行われるまつりに使用する食材を保管する倉庫だったと思われます。中には、まつり用につくられたコメや海産物、木の実などが保管されていたことが想定されます。

食材の倉
食材の倉の内部イメージ

4 祭器・儀器(ぎき)の倉〔土壁式高床倉庫〕

想定役割 : 儀式やまつりに使用する祭器や儀器を保管しておく倉庫

嘗めのまつりや祭儀場で執り行われるまつりに使用する祭器や儀器を保管する倉庫だったと思われます。中には、まつりの時に用いる衣類や装飾品、楽器や供え物をつくるための調理具などが保管されていたことが想定されます。

小型高床倉庫
小型高床倉庫室内イメージ

5 王の館(やかた)

想定役割 : 一支国を治める首長〔王〕が居住した建物

竪穴住居の中では最大級の規模を持ちかつ居住域が広がる丘陵部で一番標高の高い所に建てられていることから、一支国を治めた首長〔王〕の館と思われます。中には首長〔王〕の身分を示す青銅鏡や武器類が置かれていたことが想定されます。

竪穴住居

6 周溝状遺構(しゅうこうじょういこう)

想定役割 : 主祭殿で行われた王と神の会話内容を伝える場

祭儀場の南側に位置し、周囲を溝で取囲んだ特別な空間です。周溝の中からは鉄剣や折れ曲がった鉄鎌などが出土しています。この周溝状遺構で、王に代わってのシャーマンが王と神の会話内容を伝えていたことが想定されます。

周溝状遺構
周溝状遺構の内部イメージ

7 迎賓の建物

想定役割 : 一支国を訪れる使節団が滞在する建物

原の辻遺跡で発見されている竪穴住居の中でも最大級の竪穴住居であることから、迎賓の場として使用されたものと思われます。室内にはほとんど物を置かず、使節団の長(おさ)とその側近数名が滞在したことが想定されます。

大型竪穴住居
使節団の長イメージ

8 従者(じゅうしゃ)の宿舎

想定役割 : 使節団の長(おさ)に仕える従者が滞在した場

使節団の長に仕える世話役〔料理人や護衛官〕が滞在した場と思われます。
迎賓の建物や使節団の倉などの側に建てられています。

竪穴住居
従事者イメージ

9 使節団の倉

想定役割 : 使節団の所持品や食材などを保管しておくための建物

使節団が滞在している期間、倉庫として用いる建物と思われます。中には使節団が持ってきた荷物や食材などを保管・管理していたことが想定されます。

高床倉庫

10 長老の家

想定役割 : 有力階層が居住した建物

祭儀場周辺からは200棟以上の建物跡が検出されています。この建物は検出された竪穴住居跡から再現した有力階層のすまいです。今回は、長老のすまいを想定し、室内のしつらえをイメージしました。

竪穴住居
長老

11 集会所

想定役割 : それぞれの分野を司る有力者たちが集まって話し合いを行う建物

一支国には、稲作や畑作、漁労や生産など各分野を司る有力者がいたものと思われます。集会所は有力者たちが集まって話し合いをする場だったと思われます。集会が行われないときは大綱などまつりに使う道具を保管していたことが想定されます。長老の家とは接するように建てられています。

平地住居
集会イメージ

12 交易司(こうえきし)の家

想定役割 : 交易を司る有力者が居住した建物

建物の隣接する場所から青銅製の権(けん)が出土したことから、出土地点に近い場所に建てられた大型の平地住居を一支国の交易を司(つかさど)る有力者のすまいと想定しました。

平地住居
交易司イメージ

13 物見やぐら

想定役割 : 一支国に出入りする者を監視し、国を見張るための施設

内海湾から入ってくる船や出入り口の門を通過する者を監視するための見張り台と思われます。非常時には鳴り物を鳴らし集落内に危険を知らせる役割を果たす重要な施設だったことが想定されます。

物見やぐら
見張りのイメージ

14 番小屋(ばんごや)

想定役割 : 一支国の兵士が待機する建物

物見やぐらに隣接して建てられていたことから、一支国を守る兵士が待機した場と思われます。中には国を守るための武器や武具が保管され、物見やぐらの見張りや集落内の警備を行っていたことが想定されます。

物見やぐら
兵士のイメージ

15 使節団の宿舎

想定役割 : 使節団の一員として同行している者たちが滞在する場

使節団として同行した者が滞在する場と思われます。室内のしつらえはシンプルでほとんど何も置かず、一度に10人から20人が寝泊りしていたものと想定されます。

平地住宅
従者イメージ

16 譯(やく)の家

想定役割 : 使節団と一支国の首長〔王〕との間を結ぶ通訳が滞在する建物

一支国を訪れる使節団の言葉を理解できる通訳がいたものと思われます。この通訳が使節団と一支国の首長〔王〕との間を取り持ち、交易や交流を行っていたことが想定されます。

平地住宅
通訳イメージ

17 交易の倉

想定役割 : 交易品を納めておくための倉庫

建物に隣接する場所から青銅製の権(けん)が出土しており、出土地点に近い場所に建てられた掘立柱建物を一支国の交易品を納めておく倉庫と想定しました。

高床倉庫
交易品のイメージ

18 穀倉(こくそう)

想定役割 : 一支国で食されるコメやムギなどの穀物を保管しておく倉庫

収穫されたコメやムギを集め、保管しておく国有の倉庫だったと思われます。建物を支える柱に分枝柱(ぶんしばしら)を使っているのが特徴で、束柱(つかばしら)で支えて床が抜けないように工夫されています。

高床倉庫
穀倉イメージ
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壱岐市芦辺町深江鶴亀触515番地1 一支国博物館内
電話番号:0920-45-2728 ファックス:0920-45-2829
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更新日:2017年03月10日